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熊本被災地視察リポート

2016.12.20

2016年12月20日

こんにちは家族の森です。

熊本の震災の被害を建築雑誌・新聞等で見ていくうちに
どのような状況でどのような建物がどのような被害を受けたのかを
どうしても現地で確かめたいとの思いから熊本被災地に行ってまいりました。

熊本に到着する飛行機からはところどころ青いブルーシートが確認でき
震災から8か月経過しておりますがまだまだ大変な状況にあることが解りました。

阿蘇山を眺めながら阿蘇神社へ
阿蘇神社は楼門・拝殿が倒壊し、三つの神殿も大きく破損していました。

足場が組まれており まもなくシートで覆われます。
再建するには10年、約20億円かかる見込みだそうです。

今回の熊本地震では全域の全半壊棟数は17,116棟でその約1/3の6,743棟が
全半壊しています。私たちは全壊棟数が一番多かった益城町に入りました。
道路・水道・電気のインフラは復旧がなされていましたが、まだ被害にあった
住宅の解体がされておらない建物が多数ありました。

 

バスの運転手さんのお住まいも益城町の近くで、倒壊した家の多くは古い家で瓦屋根であったとの
お話をされていましたし、地元の方も同じ話をされていました。
しかし私たちが現場を見て思った印象は違いました。確かに古い家は全壊が多かったですが
半壊し復旧が不可である家が築20年前後であることが多かったということです。

このことはテレビ、新聞でも伝えられていましたが、家づくりに関わっている我々が
実際に見て全半壊になった原因を自ら検討すべきであると強く思いました。
築20年前後で比較的新しい住宅が倒壊した建物の多くが耐力壁量の不足にあると思われました。

その証拠に被災地の真ん中にありながら外壁にはられているタイルが1枚おちただけで
基礎も外壁にもひび割れがない家があったからです。その家はバランスが良く丁寧に作られていました。

同時に、当社が作っている家は今回の地震では倒壊しなかっただろうと確信しました。


二日目に、熊本城の天守閣・宇土櫓等を見てやはりそうであったかと思った事は
昭和に入ってから修復がなされた新しい天守閣よりも、慶長期に建てられた宇土櫓の方が
被災状況が軽微であったということでした。
社寺建築、いわゆる宮大工の高度な技術の伝承の難しさを改めて強く感じました

これから家を建てる人も、もっと家づくりに関わる職方、特に大工さんを思う気持ちを大事にして
ほしいと願う次第です。職人がどんどん少なくなっている現状があります。

最後の行程で、湧水が元通りに戻った美しい水前寺公園の姿を見て今回の被災地の視察が終了しました。

益城町の被災地で我が家が全壊し6帖位の小屋を作りわんちゃんと生活しているおじいちゃんのお話が
忘れられません。
おじいちゃんご家族にも1日も早く団欒がもどることを祈って今回の視察の報告と致します。

代表取締役 瀬戸光好

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