【コンクリートブロック造りリフォーム】外壁・トイレ・浴室を改修
2015.03.16
コンクリートブロック造住宅リフォームの注意点と施工方法
築年数の長いコンクリートブロック造住宅にお住まいの方々は、建物の老朽化や冬の寒さにお悩みだと思います。
今回は家族の森のリフォーム事例を通して、コンクリートブロック造の住宅リフォームのポイントをお伝えします。
リノベーションにおける補強工事の重要性
経年コンクリートブロック造住宅のリフォームやリノベーションにおいては、やはり補強工事が重要なポイントとなります。
建物の強度を高め「安全性」を確保することは、昨今の大規模災害の増加にともなって重要度を増してきました。
具体的な補強工事箇所としては、壁、柱、床の補強などで、また建物全体の補強を行う場合には、耐震補強工事も必要です。
コンクリートブロック造住宅の強度把握は必須
コンクリートブロック造住宅のリフォームを行う際には、まず建物の「強度把握」が重要になります。
昔のコンクリートブロック造住宅の場合、建物が現在の耐震基準を満たしていない場合があります。(🔗こちらのブログで詳しく説明)
まずは梁や柱などの鉄筋が露出していないか、モルタルが充填しているか等を、しっかり確認します。
間柱や開口部の位置なども重要な確認ポイントです。
これらを慎重に確認・検討し、建物の構造に合わせたリフォーム方法を選んでいきます。
適切な施工方法は総合的な観点で選ぶ
コンクリートブロック造住宅のリフォーム・リノベーションでは、施工方法も大きなポイントに。
例えば断熱を例に挙げてみます。
コンクリートブロック造住宅では、「寒さと結露」がよく問題として言われますよね。
特に寒さは、「寒い」を超えて「凍てつく」感覚があるとのこと。
そもそもコンクリートは木造と比べ、外部気温の影響を受けやすい構造体なので、断熱対策をしていないと本当に寒々とした日々を送ることになってしまいます。
断熱方法としては大きく「外断熱」と「内断熱」に分かれているので、それぞれ紹介します。
外断熱
まず建物の外側を断熱材ですっぽり包み込むのが「外断熱」。
コンクリートの特徴である「蓄熱性」を活かした断熱となり、高い断熱効果が見込めます。
外断熱のメリットは、
・コンクリートそのものを風雨、紫外線、温度差から守り、コンクリート壁の耐久性が高まる。
・コンクリートの特徴である蓄熱性が発揮され、室温が安定する。
・内断熱と比べ、建物の内部空間は広くなる(そのままの広さを維持できる)ため、居住性の向上につながる。
・外壁の厚みが増すため、外部からの騒音を遮断できる。
デメリットとしては、
・施工の際、建物の外側に断熱材を設置するための足場を設置する必要があり、また工期も少し長くなるので、費用が高くなることがある。
・建物の周囲に十分なスペースがない場合や、建物の外観を変更することができない地区では、制限具合で施工ができない場合がある。
内断熱
「内断熱」では、コンクリート内部に新たな断熱材を入れる施工や、ウレタンフォームという吹き付け断熱材を隙間なく吹き付ける方法があります。
断熱材としては、グラスウールや岩盤ウール、セルロースファイバーなどが一般的。
それぞれに特徴があり、この辺りは業者の思想や得意な工法によって選ばれることになりますが、好みの断熱材があればそれを使用できないか相談してみるのもいいでしょう。
内断熱のメリットは、
・足場の設置などの費用が必要なく、比較的安価に施工ができる。
・クロスや塗装で仕上げることもでき、新築同様の美しい空間が同時に蘇る。
・施工が容易で、建物の外側のデザインや色合いを変更する必要がない。
・外断熱同様、厚みが増すため家の中からの音漏れを遮断できる。
デメリットとしては、
・断熱材を内側に設置(吹き付け)するため、内部空間がやや狭くなる。
・外断熱と比べ外気の影響で壁面内部が冷えやすく、湿気がたまりやすくなる。
このように、施工の方法は家の構造やお客様の叶えたい暮らしをベースにしながら、それに見合う費用対効果の高い方法を総合的に判断します。
適切な施工方法でリフォームの効果を最大限に引き出し、快適な住まいを実現していきます。
コンクリートブロック造住宅のリフォームでおすすめの補強工事
水回りを中心にリフォーム
補強とは構造だけを頑丈にすることだけではありません。
水回り(キッチン・浴室・風呂・トイレ)をメンテナンスすることも、家全体の暮らしやすさや安全性の補強に繋がります。
今回のお客様は水回りのリフォームを希望されていました。
コンクリートブロック造でも木造でも、構造部分の腐食や劣化が進むと、思いのほかリフォーム費用が高額になってしまう場合があります。
水回りセットを活用
設備故障でないなら、水回りのリフォームでは1カ所だけでなく、全体でまとめて工事する方が安く済むことがほとんどです。
戸建ての場合、使用開始時期が同じになるので、どこも同じように経年劣化が起こってきます。
ですので、水回りリフォームでは各メーカーや専門業者の「水回り〇点セット」といった、複数箇所一気にリフォームしてしまうキャンペーンを活用して費用を抑えるのがお得という訳ですね。
リフォームの工事事例
今回のお宅では浴室とトイレがコンクリートブロックで増築された部分にあり、かなり老朽化していました。
水回りリフォームは、今後の生活の質を向上させるためにも重要な工事であり、丁寧な施工が必要です。
今回は「ユニットバス」と「トイレ」の交換と同時に、「安全性の確保」という観点から、危険な鉄柵や階段などを撤去することになりました。
窓は撤去して入れ替えます。
錆びて落下の危険があった屋根上のフェンスも撤去します。
床の補強
水回りの床は常に水がかかるため、床材が腐食したり、柔らかくなってしまいがちです。
こうなると、床の補強を行うことが必要です。
補強方法には、クッション材や防水シートを使用する方法や、床の下に柱を取り付ける方法などがあります。
今回はお庭からも使用していた2カ所のトイレを1ヵ所とし、更に合板と断熱材で暖かさをプラスしていくことになりました。
トイレの床タイルをはつり(削り・そぎ落とし)ます。
トイレの床タイルが撤去され土が入りました。
合板を貼りました。
配管の交換
下水道につなぐためのパイプを設置しています。
これまで同様、経年により配管が老朽化すると、水漏れやトラブルが発生しやすくなります。
特に水回りの配管は、水の使用頻度が当然高いため、交換が必要でした。
水回りリフォームでは配管の種類や寿命などを見極め、適切な交換を行っています。
コンクリートブロック造住宅の外壁リフォーム施工のポイント
壁の防水処理
コンクリートブロック造住宅の外壁リフォームにおいても、素材選びと施工方法が重要なポイント。
コンクリートブロック造の建物は耐久性が高いため、経年が長くなってもそのままにされている家も見受けられます。
しかし時間が経つにつれて、日差しや風雨によって徐々に外壁は劣化し、ひび割れや浮き上がりなどの問題が生じる場合があります。
こうした問題が見つかった時には、外壁の補強を行います。
コンクリートブロック造の建物の補強のためには、壁に補強材を追加する例もありますが、今回は塗装を行い、防水性や防腐性を高める工事となりました。
防水工事前にゴミが残らないようきれいに掃除します。
施工前には外壁の状態をチェックし、傷やひび割れなどがないかを確認。
防水下地を塗ります。
コンクリートブロックの特性を踏まえた上で、しっかりと下地処理を行うことが大切。
防水工事の前に左官で薄塗します。
シートを敷き、防水塗料を塗ります。
さらに防水塗料で仕上げます。
これで左官の下地、7ヵ所の窓サッシの取り付けが終わりました。
断熱性の高い窓やサッシに変えるだけで、冬の凍てつく空間がガラッと変わります。
次に、外部塗装の前に左官下地をし、細かいところから塗装しています。
下屋の部分から塗装しています。
<before>
<after>
これで外壁塗装は完了です。危険だった柵は撤去し、錆びがでていた柱が蘇りました。
次に、家の内部。
コンクリート天井でも電気配線の移動も可能です。
天井高を少し下げれば、設置したい場所にコンセントやダウンライトを付けられます。
コンクリートブロックの壁をカットしています。
完成
浴室に新たなユニットバスが設置されました。
洗面化粧台は三面鏡でサイドに収納がありコンパクトで小物などたっぷり納まります。
壁には新しいクロスが貼られ、洗濯機の上部には簡単な棚を設置しました。
洗剤等を置く場所って意外に困りますよね。
<before>
<after>
廊下・壁・天井・サッシも新築のようになりました。
タンクの両サイドが収納スペース。広々としたステキなトイレです。
メーカーの担当者より直接、使い方・お掃除の仕方など説明をさせていただきました。
わからないことはその場で聞いていただけるので、安心に繋がります。
奥様には「とても満足です!」とのお言葉をいただきました。
ご近隣のご協力いただき、スムーズに工事を行うことができました。
誠にありがとうございました。
リフォームをお考えの方は🔗こちらもご覧ください。
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