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人生に差が出る温熱環境(1)

2022.11.08

人生に差が出る温熱環境(1

急な冷え込み 健康リスクに備えよう🐥

10月に入り一気に冷え込みましたね🍃

先月ブログにて、🔗「リノベーションで優先すべきポイント」は断熱改修ですという記事を書きました。

今回は追加で断熱性能と健康のお話です。

以前、「高気密・高断熱の先進的な取り組みについて」の配信動画を拝見しました。こちらの近畿大学 建築学部長、岩前 篤氏は住環境での断熱研究で著名ですが、以下ディスカッションでのご説明を、端的にまとめてみました。

(参照🔗「日経チャンネル」 アーカイブで動画も閲覧できます)

 

1910~の月別死亡率の推移をみると、戦前は夏の死亡率の方が高い

これまた🔗以前の記事で、「家のつくりようは夏を旨とせよ」と謳われていた理由がよくわかるデータです。1970年では冬の死亡率の方が高くなっています。

ヒートショックの事例も紹介されていました。「家庭内事故」とも称されるようになったヒートショックも、当然冬場にそのリスクが上がっています。

大多数が断熱性能の低い日本の住宅

(参照 国土交通省 住宅ストック5,000万戸の断熱性能(令和元年))

国交省調べでは、なんと、現行の省エネ基準を満たす住宅はわずか1割😱
日本の現行基準でさえ欧州と比べれば出遅れがあるのですが、60年以上前の基準さえクリアしていない住宅が、日本全体の3割もある状況です。

もちろん現行基準を満たせる家というのは必然的に新築orきっちり断熱リフォームした家のみになるので、当然の結果といえば当然です。

ですが今回のように健康リスクで見た時、9割近くの家がそのリスクを抱えたまま暮らしているということになります。

日本は震災被害が多い国なので、どうしても建築基準法の照準がそちらに向きました。結果、耐震義務化などは高い基準を設けられましたが、断熱基準は固陋なまま置き去りにされてしまいた。

そして、SDGsなどが声高に叫ばれる中で省エネルギーや温熱環境の法整備が、先進国でも後塵を拝す結果となっているのです。遅れたものは仕方がないのでこれから頑張りましょう🐇

ヨーロッパと共通する意外な断熱リスク

欧州の冬の死亡者数増加率の調査統計によると、断熱性能が高い北部の寒冷な国(北欧やイギリス)よりも、断熱化に関心の低い南部の温暖な国(地中海沿岸など)の方が、むしろ冬の死亡増加率が大きいことがわかっています。

そして、これは日本でも同様です。冬の死亡増加率が最も低いのは、驚くなかれ北海道!反対に最も高いのは比較的温暖な栃木県なのです。

InstagramでコラボさせていただいているImmortal Flosのカメラマンの方(東北出身)が、以前こうおっしゃってました。

こっち(関西)の建物寒すぎる❗」

東北=寒いは当然「外気」のことです。日常生活する時間が長い建物内では、関西の方が寒いと聞くと最初違和感でしたが、東北以北の地域は寒いリスクを受け止め備えとして家の断熱化が進んでいるので冬の死亡率が下がっているのです。

では反対に、死亡率一位がなぜ沖縄や鹿児島でなく、栃木なのでしょうか。

その答えは、寒暖差にあります。

栃木は、福島や宮城より早く霜が降り(=寒くなり)、札幌より寒い期間が長く(霜の終日が427日!)続くのです🥶

さらに伊香賀教授曰く、「山岳部を除いて晴天が多く、昼間は比較的暖かいためか高断熱住宅が普及しない。そして、放射冷却現象で夜間から明け方にかけて冷え込みが厳しい

このことから起こる冬の死亡原因を調べてみました。

すると、寒い地域はコレステロール値・血圧が高いというデータも出つつ、

トップはやはり「心筋梗塞・脳卒中」に。

つまり、ヒートショックとの相関性が極めて高いという結果が出ました。

栃木県では「おじいちゃん、おばあちゃんが冬に布団から出てこないので見に行ったら、死亡していた」という話をよく聞くそうです。

このように、栃木は「寒暖差の大きい内陸性気候×高断熱住宅の普及率の低さ」の結果、冬の死亡率が高い傾向にあるということです。

栃木は県をあげて対策や意識改革を促しています💡

次回(2)では断熱性能で介護リスクが減る、子供の成育にまつわる情報をお伝えします🔆

それではまた!


地震に強く、環境や人には優しい「快適さNo.1」の家を建てています。

最高ブランド材である奈良の『吉野材』を軸に据えた、上質で長持ちする住まい。

断熱だけでなく、遮熱と共に夏冬の快適さを約束する『ウレタン遮熱工法』、省エネでありながら静かで体にやさしい全館空調「FCON・パッシブエアコン」を導入。

もちろん耐震等級3をクリアし、ZEHG2グレードといった次世代基準のエコな家も実現。

家族の森は伝統が支えてきた建材と最新技術を駆使しながら、「人が住む」ことに真摯な姿勢で家づくりをしています。

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